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そのほか

風邪について

“風邪”は最も身近な病気ですよね。市販の風邪薬もあるし、いろいろな民間療法もあって、自然に治っちゃう、あるいは自分で治しちゃう人って多いですよね。もともと人間の体には自然治癒力が備わっているので、こういったこと自体は、決して間違っていないのです。

では、“風邪”ではクリニックにかからなくていいのでは、とお思いになるかもしれません。ただ、自分では“風邪”だと思っていても、実は扁桃炎副鼻腔炎中耳炎だったりする可能性があります。特に、扁桃周囲膿瘍、喉頭蓋炎などの命にかかわるような怖い病気は決して見逃してはいけません。むしろ、診察を受けて「風邪です」と言われたら、安心してもらっていいのです。

以前あるテレビの健康番組で、「お医者さんが風邪というのは、肺炎などの心配な病気がないことを、患者さんに伝えるときに使うのです。」と言っていて、すごく納得したことを覚えています。ですから、皆さんが思う“風邪”の状態が、医学的な診断としての風邪であるかどうかを、見極めるためにクリニックを受診する、というのが正しい姿だと僕は思っています。

また、お薬についても、市販の総合感冒薬はいろいろな成分を混ざっているので、緊急時には役に立ちますが、不要な成分が入っている場合があります。特に、鼻水を止めるような成分である抗ヒスタミン薬を含む場合、多くは“第一世代”といわれる眠気を催す成分が含まれていることが多いのが実情です。クリニックでは、その人の症状にあわせて必要な処方を組み合わせることができます。特に、今まで市販薬は眠気が強くて使いづらかった、と思われる方は、そのことをお伝えください。そうしますと、処方の選択に配慮ができるようになります。

漢方薬について

さらに、風邪に対して漢方薬、という選択肢もあります。もともと漢方薬は、1800年前の感染症の治療マニュアルとして知られる『傷寒論』という本に記載されている薬が起源となっています。細菌、ウイルスの発見がなされていない時代に、その時々の人々が様々な試行錯誤を経て、漢方薬は現在まで受け継がれています。そういった意味では、漢方薬は先人たちが私たちに残してくれた”人類の財産”だと思っています。その漢方薬を感染症の代表である、風邪に使わない手はありません。

漢方薬というと、長く飲まないと効かない、なんて言われることがあります。もちろん、長く飲まなければならないタイプの漢方薬もありますが、即効性のある漢方薬もあります。むしろ、1800年前は感染症で生きるか死ぬか、という時代でしたので、『傷寒論』に書かれている漢方薬の多くは急性期の病態に有効です。

“風邪に葛根湯”というのを一度は聞いたことがあるかもしれません。実際、ある種の風邪には葛根湯が有効です。しかし、すべての風邪に葛根湯が効くわけではありません。そのあたりの見きわめをするのが、僕たちの仕事です。どのような症状がいつ頃から出てきたのか、といった問診や、診察の結果をふまえて処方を選択します。一般のお薬と違って、若干飲みづらいのが玉にキズですが、体に合った漢方薬ですと、結構おいしいとおっしゃる方もいらっしゃいます。なお、子供さんに漢方薬を飲んでいただく工夫を動画にして、YouTubeに掲載しましたので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

ぜひとも、漢方薬を使ってみてください。

麦門冬湯の動画

半夏厚朴湯の動画

抗生剤について

「風邪に抗生剤は効かない」と一般的に知られるようになってきましたが、いまだに様々な誤解などもありますので一言申し上げます。まず、“バイ菌”には大きく分けて細菌、ウイルス、カビの大まかに3種類があります。そのうち、抗生剤が有効なのは細菌のみで、ウイルスやカビには効きません。風邪のところでも申し上げましたが、皆さんが“風邪”と思われる病態でも、扁桃炎、副鼻腔炎、中耳炎などの病態が含まれています。実際にクリニックに受診をして、これらの病気でないことを確認したのちに風邪の診断となるわけですが、その場合多くはウイルスが原因となります。その場合、抗生剤は使う必要がない、というのが理屈です。

もちろん、中耳炎や副鼻腔炎で細菌が原因と考えられる場合にはしっかりと抗生剤を使います。その抗生剤に関しても様々な種類があります。かつては、多くの種類の細菌に有効な抗生剤を使うような風潮がありましたが、近年はターゲットとなる細菌を絞って、狭い範囲の細菌に有効な抗生剤を使うことが推奨されています。その代表例がペニシリン系の抗生剤です。私たちが治療を行う上での指針となるガイドラインでも、軽症から中等症ではこのペニシリン系抗生剤を中心に治療を行うように勧められていますので、基本はペニシリン系抗生剤を使うことが多いのです。ちなみにペニシリン系抗生剤は1日3回飲む必要があります。ただ、幼稚園や保育園に通われている小さいお子さんは、昼食後に内服をするのが難しいとの理由で、1日2回をご希望される親御さんが多いのですが、できれば3回飲んでいただくことをお勧めしています。詳しくはこの動画を参照してください。

もちろん、状況によりもっと強い抗生剤を使うこともあります。しかし、普段からこのような薬剤を多用していますと、抗生剤が効かなくなる細菌が増える問題(薬剤耐性といいます)がでてきますので、強い抗生剤を本当に必要な時に使えるよう”秘密兵器“として取っておきたい、というのが実は本音です。このように、状況によって抗生剤を使い分けながら診療を行っているので、「〇〇という抗生剤をください」とのご希望はお受けできないのです。

薬剤耐性につきましては、数年前から厚生労働省もその対策に本腰を入れてきましたので、はじめに述べましたように「風邪に抗生剤は効かない」ということが一般に知られるようになってきたのです。

”めまい”について

めまい心筋梗塞 脳卒中 熱中症 不整脈 低血糖発作これらに共通して起こりうる症状は何でしょうか?そうです、“めまい”です。めまいは様々な原因で起こります。また、一口に“めまい“といっても、天井がぐるぐる回るような”回転性めまい“、フワフワする感覚のある”浮動性めまい“、また”立ちくらみ”のことを”めまい“と言ったり、足腰がたたない状態でフラフラすることを”めまい“と言ったりする方もいます。このあたりを詳しく見極める必要がありますが、なかなか一般の方ではわからないですよね。

急に起こった”めまい”は(クリニックではなく)病院に行ったほうがいい 

そこで、私は“めまい”と思ったら、まずは(クリニックではなく)病院へ行くことをお勧めしています。なぜなら、“めまい”は様々な原因で起こるからです。特に、脳出血や脳梗塞などの脳卒中は初期の対応が重要です。確かに、最近は「“めまい”の専門家は耳鼻咽喉科」と知られるようになりましたが、幸いなことに耳鼻咽喉科領域の“めまい”は命にかかわることは少ないです。ですから、まずは命にかかわる病気でないかを見極めていただくことが大切だと思っています。そのためにも、血液検査、心電図検査、CT検査などの検査体制が整っていて、点滴などの治療のできる病院の受診が望ましいと思います。そのうえで、命にかかわる怖い”めまい”でないことを確認出来たら、耳鼻咽喉科の出番です。そういった意味でも、病院であれば必要な診療科が揃っている場合も多く、”めまい”が起こった場合は病院の受診が望ましいのです。

クリニックでも対応できる”めまい”とは?

急激に起こる”めまい”のうち、起床時に起こるもののうちで良性発作性頭位めまい症という病気があります。この場合、体を起こしていると意外と”めまい”が落ち着くもので、その場合はクリニックの受診は可能です。その場合、ぜひ良性発作性頭位めまい症の動画をご覧になってからいらしてください。もしその動画をゆっくりご覧になれないほどの”めまい”がキツイ状況であれば、その時は病院を受診しましょう。

また、”めまい”といっても、フワッとする”たちくらみ”をお感じになる方が多いようです。その際は検査などを行ったうえで、耳からくる”めまい”でないことを確認したのちに、漢方薬治療が功を奏することもありますので、ご相談ください。

複雑な”めまい”はめまい相談医を受診しましょう。

当院で扱うのは一般的な”めまい”のみで、限られた診療時間のなかで診療を行っていますので、基本的に私からの誘導的な質問と検査を組み合わせて診療を行っています。

なかには「話が長くなるのですが・・・」と前置きして今までの経緯をすべて話そうとする方や、私が誘導的な質問をすると明らかにムッとする方がごく稀にいますが、そういう複雑な事情を持つような”めまい”、つまり複雑な”めまい”の方は、「めまいセンター」と称する医療機関や、めまい相談医の在籍する医療機関を受診ください。当院ではそういった複雑な”めまい”は扱っていません。当院はめまいについての検査も限られていますし、すべての”めまい”患者さんを満足させられる施設ではありませんので、あらかじめご理解ください。

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