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鼻の症状と疾患について

鼻の症状について

鼻水

風邪の代表的な症状です。また、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の症状の場合もあります。単に鼻水といっても、病態の把握のために鼻水の色についてお伺いします
具体的には透明、白、黄色、膿の色(みどりっ鼻)などです。ご自宅での様子を知りたいので、ちょっと汚い感じがしますが、鼻をかんだティッシュペーパーに付着した鼻水の色調を教えてください。診察の結果、アレルギー性鼻炎副鼻腔炎の診断などの可能性もありますので、しっかりと確認が必要です。

先日インターネットで鼻かみのアンケートをしたところ、鼻をかんだ後に鼻水の色を見ますか?との質問に85%の方が「はい」とお答えになりました。ですから、決して鼻水の色を見ることは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、病態の理解には役に立ちますので、ぜひ受診の際にお聞かせください。

鼻閉、鼻づまり

鼻水とともに風邪の代表的症状です。先に述べたアレルギー性鼻炎の可能性もあります。鼻水を伴う場合と、そうでない場合もあります。特に小さなお子さんは鼻が上手にかめないので、必要以上に鼻閉があることがあります。また、鼻づまりにより、夜間眠れない方もいます。鼻のポリープなどができている場合もありますので、しっかりと確認が必要です。

においがしない

風邪の直後に、においを感じなくなることがあります。また、鼻のポリープなどでにおいを感じなくなることもあるので、鼻腔内の診察が大切です。

鼻出血

鼻出血の約9割は、鼻の入り口から1cmくらいの領域から出ます。もともと鼻をかむといった機械的な刺激が加わりやすい部分であること、その部分には血管が豊富にあることがその要因です。最近では血液サラサラ系の薬を内服している方が多く、止まりづらい方も多いです。まず、鼻血が出たら、座った状態(横になるのはNGです)で、鼻の下1/3の部分をつまんでください。プールに潜る時のように、しっかりとつまむことがコツです。メガネのパッドが当たる部分を押さえる方がいらっしゃいますが、これは誤りですので、ご注意ください。

後鼻漏

後鼻漏という症状について説明します。 鼻がのどに垂れる、落ちる、とも表現されます。 その正体は1日1リットル以上分泌される鼻水です。 ふつうは気にならないはずの、その鼻水が気になるのが後鼻漏です。

鼻の構造

鼻の空間を鼻腔といい、その周りには副鼻腔といわれる空洞があります。副鼻腔の構造は、出入り口は狭く、奥は広い空洞、といった特徴があります。そのため、炎症などの原因で出入り口が塞がると、奥の空洞に液体が貯留しやすくなります。この状態を副鼻腔炎といいます。

使用イラスト(c)看護rooイラスト集

かつては、この空洞に膿がたまることから、副鼻腔炎のことを”蓄膿症”とも呼んでいました。ここは私の細かいこだわりですが、私は皆さんの説明に“蓄膿症”という言葉は、基本的に使いません。理由は、“蓄膿症”という言葉には、歴史的に非常にネガティブなイメージがあるからです。かつて“蓄膿症”に対しては “怖い手術“が行われていました。私の世代の耳鼻科医ですとあまり経験はないのですが、もう少し上の世代の先生ですと、局所麻酔で副鼻腔の手術を行っていました。決して、その手術方法や、その手術をされていた先生方を否定しているわけではありません。それは、その当時の医療事情・状況では、それがベストの治療法だったからです。しかし、患者さんの立場に立ってみると、やはりその手術は”怖い手術“だったと私は思うのです。しかも、そのイメージは手術を受けたご本人だけでなく、そのご家族までに広がっています。つまり、”蓄膿症“=”怖い手術“という図式が社会に染みついてしまっているのです。

ですから、あまりネガティブなイメージを引きずる”蓄膿症“という俗称よりも、正式名称の”副鼻腔炎“を使い方が私は理にかなっていると思っています。(くだらない私の戯言にお付き合いいただきありがとうございました。)

ちなみに、現在の副鼻腔の手術は、全身麻酔を行ったうえで、内視鏡を使った手術が主流です。ですから、麻酔を使って寝ている状態で手術が行われますので、以前に“怖い手術”をされた患者さんは、はじめはすごく恐れるのですが、実際に手術をされると「以前よりはだいぶ楽でした」とおっしゃられる方が多いです。また、副鼻腔の病気の割合も数十年前とは異なっており、副鼻腔の手術をされる方はだいぶ減ってきている実情もあります。ですから、病院での診察の結果、副鼻腔の手術が勧められた場合でも、必要以上に怖がる必要はないと思います。

鼻の疾患

アレルギー

アレルギー性鼻炎

鼻水、鼻閉、くしゃみ、鼻のかゆみなどのアレルギー症状が起こる病態です。その原因がスギなどの花粉の場合、花粉症といわれます。そのほかのアレルギーの原因としてハウスダストなどがあると、一年中これらの症状が出現する通年性アレルギー性鼻炎ともいわれます。どのような原因があるかを、アレルギーの検査で調べることができます。その原因を知ることで、症状が出やすい時期を予測して、治療を進めることができます。

基本的には飲み薬ですが、鼻にスプレーをするタイプのお薬もありますので、これらを組み合わせながら治療を行っていきます。また、最近は舌下免疫療法という新しい方法が出てきました。現在、スギとダニの治療が行うことができるので、その治療を進める上でも、アレルギーの原因を知ることは重要です。

舌下免疫治療については別の特設サイトで詳しく述べていますので、ぜひご覧ください。

花粉症

春先のスギやヒノキによる花粉症が有名ですが、初夏の雑草(カモガヤなど)や秋の雑草(ブタクサなど)による花粉症もあります。アレルギー性鼻炎と同じように、飲み薬と点鼻薬を処方しますが、最も大切なのはマスクをつけて花粉をできるだけ体に取り込まないことです。
それぞれ鼻の症状以外に、目のかゆみなどのアレルギー性結膜炎を起こすこともあります。その場合は、目薬の使用も検討しますので、併せてご相談ください。

 

副鼻腔炎

急性副鼻腔炎

”急性”におこる副鼻腔炎です。ちょっとした風邪などがきっかけで副鼻腔炎は起こります。また、アレルギー性鼻炎があるとなりやすいです。下記の慢性副鼻腔炎と混同され、すごく心配される方もいますが、耳鼻科医の私でも年に1,2回はかかる普通の病気ですので、過剰に心配はいりません。鼻汁や鼻閉のほかに、顔面の重み・痛みなどの症状があります。軽度の急性副鼻腔炎の場合、抗生剤を用いなくても治療ができる場合もあります。ただし膿を含む鼻汁の場合、細菌性副鼻腔炎を考え、抗生剤などを使用します。

慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎が3か月以上にわたり続くと、慢性副鼻腔炎と呼ばれます。慢性炎症で鼻腔内にポリープができる場合があり、かつて蓄膿症(チクノーショー)と呼ばれたのは、主にこちらの病態です。昭和の時代は罹患率も高かったのですが、近年は減少傾向にあります。一方で、この病態の一部が好酸球性副鼻腔炎という新たな概念にあたることがわかり、その鑑別も重要となってきました。

状況によっては手術が必要な場合もありますが、最近は全身麻酔で内視鏡手術が行われることが一般的です。かつて、”チクノーショー”と呼ばれていた時期には、局所麻酔で歯肉を切開する、という”怖い手術”を行っていました。そのため、一部の方は”チクノーショー”=”怖い手術”というイメージをお持ちです。しかし、前述のように慢性副鼻腔炎の罹患頻度も減ってきており、手術も安心して行えるようになってきているので、過剰に心配する必要はありません。

そのほか

鼻腔異物

鼻腔内におもちゃなどが入った状態です。お子さんがおもちゃ(特にビーズ)を入れた場合、可能であれば同じ物を持ってきてもらえますと、取り出すうえで助かります。

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