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“チクノーショー” についてのアンケートの結果を集計しました。

[2021.11.14]

副鼻腔炎という病気がありますが、かつては”蓄膿症(チクノーショー)”と呼ばれていました。現在では正式名の副鼻腔炎と呼ぶべきであり、”チクノーショー”は俗語となります。皆さんへの病気の説明を行う上で、いまだに“チクノーショー”という方が多く、そういった言葉の拡がり具合を知りたくて、このアンケートを作成しました。

 

今回は1週間で51人のご回答をいただきました。ご協力いただいた方ありがとうございました。

 

1つ目の質問は「“チクノーショー”と言われたことがありますか?」です。

16人(31.4%)の方が“チクノーショー”と言われたことがあるようです。3人に1人に相当します。予想通り多くの方に対して、この言葉は使われているんだな、と思いました。

 

2つ目の質問は「(Q1で「はい」と答えた方に)何科の先生に”チクノーショー”と言われましたか?」です。

耳鼻科医が15人(88.2%)、内科医師・歯科医師が各1人(5.9%)、そのほかが2人(11.8%)となりました。複数選択可能としたのですが、複数選択された方は2人のみでした。耳鼻科で言われるのはそれなりの人数はいると思ったのですが、耳鼻科医以外に言われた方は、思いのほか少なかったですね。というのも、日常診療の中で、内科や歯科の先生から言われている方も多く、最近では人間ドック・脳ドックなどで頭のMRIを撮影される方が多く、そういった方の説明ではいまだに“チクノーショー”と言われている方が多い、と実感していただからです。もしかしたら質問の仕方が悪かったのかもしれませんね。

 

3つ目の質問は「(Q2で答えた方)その先生の年代は?あくまで印象で構いません」という質問です。

年輩医師が9人(50%)、中堅医師が10人(55.6%)、若年医師1人(5.6%)でした。これはやはり予想通りの結果で、若い先生はしっかりと副鼻腔炎と説明しているいるようです。

 

4つ目の質問は「(ここからはすべての方にお伺いします)”チクノーショー”と言われると、どういうイメージですか?」です。

怖い病気が5人(10.4%)、不治の病が6人(12.5%)、くさい病気が41人(85.4%)、怖い手術が必要が10人(20.8%)との結果でした。まず、「くさい病気」とお考えの方が85%もいることにびっくりしました。確かに主症状の一つとして膿性鼻汁、つまり膿を含んだ鼻水があるのですが、そのイメージが強いんですね。自分も年に1回は副鼻腔炎になるのですが、その時は臭さよりは、顔面痛で悩まされるのですが・・・。一方、怖い病気、不治の病、怖い手術とお考えの方はそれほど多くないのですね。私の予想と違っており、やはりこういったアンケートをしてよかったと思います。

 

5つ目の質問は「副鼻腔炎と言われたことがありますか?」

副鼻腔炎と言われたのは33人(64.7%)でした。1つ目の質問で“チクノーショー”と言われたのは16人(31.4%)ですから、約2倍に相当します。副鼻腔炎と言われた方33人のうち、“チクノーショー”と言われたことがあるのは14人で、ない人は19人です。後者の方の割合が多くて良かったです。今後はおそらく副鼻腔炎という呼称が一般的になると思います。

 

6つ目の質問は「副鼻腔炎には、「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」があります。それぞれの病態はかなり異なり、”チクノーショー”というのはおもに後者の「慢性副鼻腔炎」を示します。一般的に、多くの場合は風邪などからくる副鼻腔炎は「急性副鼻腔炎」であり、それほど心配するものでないことをご存じですか?(詳しくは当院のホームページの疾患の説明に記載してあります)」です。

副鼻腔炎の多くが「急性副鼻腔炎」でそれほど心配する病気でない、と思われている方が25人(49%)です。そう思われていない方が26人(51%)とこれは意見が半々に分かれました。この辺りは我々の啓発がもっと必要なのかもしれません。

 

7つ目の質問は「 ”チクノーショー”なのか、副鼻腔炎なのか、単なる言葉遊びにすぎないように思えますよね?ただ、言葉はその響きと、そのイメージも重要です。ある人は”言葉は呪です”と言っており、私もそう思います。そのため皆さんには必ず「副鼻腔炎」という言葉を使って説明しています。この考え方にご理解いただけますか?」です。

これは質問というより私の意見の発信ですが、おおむねご理解いただけたと思います(はいという方が49人(98%)でした。)

 

まとめてみますと、いまだに多くの方が“チクノーショー”と言われている実態でした。一方、正規名称の副鼻腔炎という呼称もしっかり使われている実態がつかめて良かったです。また、予想以上の多くの方が“チクノーショー”をくさい病気、と捉えていることが分かりました。これからの日々の診療の説明に役立てていきます。

 

また、こういったアンケートを行って、日々の診療に役立てられたらと思っています。その場合、LINEのメッセージを使ってアンケートを行いますので、ご興味のある方はぜひ友だち登録してみてください。

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